右ヨーシ、左ヨーシ!!

さっきまで書いてた力作が消えたにもかかわらず、
健気にも再度書きます。

ちょっと前のこと。

ピンポーンとインターフォンの音が鳴ったので出て行くと、

「あのー、前のかっぱ寿司でエンジンかからなくなったんですぅ」
と、70歳を超えたおじいちゃんが心細そうに立っている。

ああ、はいはい、エンジンかからないんですね。
と、スターター持って横断歩道渡ってかっぱ寿司へ。

駐車場ではかなり年季の入った軽自動車がやはり心細そうに止まっていて
助手席にはさらに心細そうなおばあちゃん。

はい、スターターつないでぇっと・・・

ブルルルン・

エンジンは元気よくかかりました。

が・・・

スターター外すと

キュルキュルキュル。。。

エンジンかかりません。

お父ちゃん、ウチの店に中古のバッテリーあるから換えたげるわ。

「わ、わし、金ないで」

んな警戒せんでも・・・
中古やからお金はいらんわ。
とりあえず、店に車入れて。

「向かいのあの店にか?道、分からんわ」

た、確かに・・・
よっしゃそれやったら僕が運転するわ。
お父ちゃん、後ろの座席に座って。

と、助手席にお婆ちゃん、後部座席におじいちゃんとスターター載せてかっぱ寿司を出発。

ところがね、このおじいちゃん。

「右よーし、左よーし、バックオッケー」

と、曲がるたび、発進するたび、掛け声かける。

あのね、言われんでも分かってるんですけど・・・

「左オーライッ!!」

分かってるってば!!
教習所やないねんから

そんなこんなしてTAX泉北に到着。

「あのな、わし、金ないねんけど」

・・そんなにオレは怪しいげな風体かい?

バッテリー換える作業の間、おじいちゃん警戒してるのか一生懸命、僕に話かける。

「わしな、このトシになってもな、いじめられてばかりやねん」
「全然金ないねん」

お父ちゃん、そんなに警戒せんでもオレもメッチャ貧乏やで

「役所の人間はな、鬼や」

なんや?生活保護かなんか打ち切られたん?

「いや、固定資産税のな・・」

ん????固定資産税?もしかして土地持ち?

「ん、バブルの時に買うた土地な、全然売れへんのに税金かかんねん」

ああ、そういうケースもあるわな、50坪ぐらい買うたん?

「いや、1500坪ほどな」

あ、ああーーん?せ、1500坪???
って、あんたメッチャ金持ちやん??
売ったらエエのに。

「あほなことを。。今売ったら大損やん」

いや、確かにせやけど・・・

そんな会話が約3分。

バッテリーを交換したらエンジンは元気に息を吹き返しました。
「ボロカスやな」
(エライ簡単に終わるなって意味=そう、僕はバッテリーかえるのん、メッチャ早いのです)

「ホンマにただでエエのん?」

ああ、いらんで、どうせ中古やし

「ありがたやありがたや、わしこんなに親切にしてもうたのん初めてや」
「ありがたやありがたやありがたや・・・・」

もええよ、分かった。分かったから気ぃつけて帰り。

と、おじいちゃんとおばあちゃんは帰って行きました。

ふむふむ、エエことしたね。
喜んで帰ってくれてよかったね。

と、安堵した気分が数分・・・・・・

ん?スターターは???

ノ、Noォォォォォーーーーーッ!!!!
あの車に乗っけたままやん

と、落ち込んだのもつかの間。。。
スターターは翌日、持ってきていただけましたとさ。

歯茎めっちゃ腫れてます。
明日ぐらいは顔の半分腫れていることでしょう。
「いっつも腫れてるからわかれへんね」って突っ込まんといてください。