緊迫の15分間①

夜の7時ごろやったかな?
お客様との電話中にガラガラ、バッシャーン、ドッスーンという轟音。

中谷「こけてますわ」

なんや、バイクか?
と、慌てて走っていくとケンタッキーの前で1BOXカーが横転。

車内を見ると数人の搭乗者の姿。
幸い、流血などをしている人はいない模様。

中谷に救急車呼ぶように指示。
あとは警察も。
救急車はご来社中のお客様が呼んでくれました。

何とかして社内の人を助け出そうにも、右側を下にして横転している1BOX、
上に向いている左側の前後のドアを開けてレスキューするのが一番なのですが、
ドアにロックがかかったまま。

「ロックあけてください、聞こえますか?」
必死に呼びかけると車内の人の意識は全員しっかりとしているよう。

でもね、窓は開くものの、ドアロックはうまく開錠できません。
助手席に乗っていた男性、シートベルトにぶら下がったような状態になって相当苦しそう。

「お父さん、頑張ってや、すぐに助けたるからな」

ちょっと開いた窓の隙間から腕を差し込んでロックを開錠。
したはずが、ロックは開錠せず。

「鳥羽、脚立もってこい。」

脚立に乗ってドアを開けようと試みるもドアは開かない。
スライドドアも開かない。

助手席の男性は苦しそう。

そこで後ろに回ってリヤゲートを開けてみると、
幸い、リヤゲートは開いたのでした。

荷室においてあった荷物がゴロゴロ。
「中谷、この荷物あっちへやれ」

荷物をすべてどけて、3列目シートを跳ね上げて通路を確保したら
2列目の2人は開いた後部から何とか自力で脱出してきました。

あとは、運転席、助手席の2人です。
後部座席に乗っていた2人よりは比較的お年を召されているようで、
何とか早く助け出さねば・・・・

助手席のシートバックが倒せる状況にないので後部からの脱出は無理。
「窓から降ろせ」
と、周囲の人から声がかかるもスペース的に無理。
やっぱり、助手席のドアを何とか開けるしか方法はないのです。

ガソリン漏れてたら引火する恐れがあるけど、幸い、匂いはしてないです。
なんとかドアを開けやんと。。。