バーンッ!!

2006年11月30日

夜の8時30分頃
バーンッ!!!
大音響と同時に
バリーンッ!!
と、ほぼ同時にガラスの割れる音。
何事か??と、2階の事務所から当たりを見回す。
爆発かそれとも事故か?
でも、前の道路にも交差点にも非常事態は見られない。
バックファイヤーの音?

1分ほどたって・・・
店長が慌てて外へ飛び出していった。
慌てて僕も後を追っかけた。

お店の裏側の交差点で大きな重機が止まっている。
その横に左サイドを大破したエリシオンが止まっている。
「怪我人おるかっ!?」
近付くと、「痛い痛い」と泣き叫ぶ子供と
泣き叫ぶ子供を抱きかかえながら大声で泣いているお母さん。

重機の直径1.5mはあろうかというタイヤがバーストしている。
その爆風と破裂したタイヤが真横のエリシオンを直撃した模様。
エリシオンは大破。
2列目に座っていた子供を直撃したらしい。

「救急車は呼んだかっ!?」
もう、僕もパニックになりそう。
二次事故を防ぐため、
店長にエリシオンを道路脇に寄せるよう指示。
僕は、子供とお母さんに
「大丈夫やっ、救急車もうすぐや」と声をかける。

子供の側頭部からはおびただしい鮮血。
お母さんも怪我をしていたが、泣きながら子供を抱きしめている。
相変わらず、子供は泣き叫んでいる。
「頑張れ、もうすぐ救急車来るから」
僕だけでなく、あちこちから人が集まってきて
「頑張れ!頑張れ!」と子供に声をかける。

ただ、事故に気付いた数人の人が集まってきても
僕を含めた誰も、応急処置を出来ない。
ただ、子供を励ますのみ。
「頑張れ!」
でも、子供の泣き声はだんだんと弱くなってくる。

そのうち、子供はほとんど泣かなくなる。
なんだか眠っているような感じだ。
ちょうど近くに病院があったので店長に
「医師でも看護士でも、誰か呼んで来い!」と、店長を走らせる。

僕もどうしていいか分からない。
腕や下肢などの怪我なら、
出血部より心臓に近いところを縛ったりするのだろうが、
頭の場合はどうして良いの分からない。
前のガソリンスタンドに「タオルと水はないか」と声をかけるも
そのタオルと水をどうしたら良いのか分からない。
自分の無力さを痛感する。

なかなか、救急車が来ないのがもどかしい。
そのうち、子供、まったく泣かなくなる。
「頑張れ、大丈夫や」
ただ、何度も同じ言葉をかけるのみ。

やっと、救急車がやってきた。
救命士の人が子供に酸素マスクを付け、服をはさみで切った。
すると子供、再び泣き出した。
泣きながら「病院やったら〇〇がいい」
その鳴き声を聞き、一堂、ホッとする。
逆に泣き出した人もいる。
僕も泣いてしまった。

大怪我なのは確かだが、命に別状はないに違いない。
救命士は冷静にその場で処置をし、
救急車はサイレンを鳴らしながら走って行った。
僕まで一緒に救急車に乗って行きたい気持ちになる。

道路の真ん中で立ち往生した重機と、途方にくれる運転手。
こんな信号の手前で一体、何が原因なんだろう?
止まっていた時にバーストしたのだろうか?
それとも何かを踏んでバーストしたのだろうか?

こういう事故があるといたたまれない気持ちになる。
いつも怪我をするのは子供やお年寄り。
車は一歩間違えると凶器にもなり得る。
それを商品として扱う僕らは最新の注意を払わなければならない。

子供はきっと大丈夫や。
いや、絶対に大丈夫や。