情けない・・・完結編

ちょっと色々なことが重なってこの3日間ぐらいはドタバタでした。
お客様にもご迷惑をおかけしてしまったこと、深く深くお詫び申し上げます。

さて、先週の御客様の事故の話の続きです。
今回の事故を要約すると・・・

当社のお客様は普通に走っていただけ。
真横か左斜め後方から幅寄せしてきた車両と接触。
過失ゼロの主張をするも、相手保険会社の主導もあったのかどうか、相手は30:70の主張。
さらに感情がこじれてしまって人身事故に発展の可能性。
人身事故の届出日は今週の月曜日。
残された時間はこの時点では2日間。
遠い関東地方のお客様だけど、何とかお力になれないものかと思案しておりました。

今回の事故だけでなく、物損事故のほとんどが感情的になることと、
誤った知識による行動から揉め事に発展する可能性が高いです。

円満解決が最優先なんだけど、一度こじれてしまってはなかなかそれも難しい。
でも、落ち着いて考えてみると相手は30:70であろうが0:100であろうが、
車両保険にさえ加入していれば保険がすべて賄ってくれます。

そのことを説明すればたぶん分かっていただけると思うんだけど、
僕が相手と直接話をするわけにもいかない。
相手の代理店がきちんとアドバイスしてくれればいいんだけどね。

僕が直接話が出来るのは相手保険会社。
代理店として・・・?
いや、修理工場としてです。
だから今回の事故は当社で引き取って修理をすることにしました。
修理工場としてなら保険会社と直接交渉も可能です。
交渉のポイントは当社の御客様の立場に立って相手をねじ伏せること?
いやいや、そんなことはしません。
保険会社にも立場はあります。
うらぁ~、ごるぁあ~
こんな交渉では火に油を注ぐというもの。
だから、まず相手保険会社のスタンスも聞いた上で解決策を講じます。

当社の御客様の主張は・・
1、自分に過失はないので保険は使いたくない。
2、相手が過失割合を主張するなら軽症とはいえケガも補償して欲しい。
3、でも、出来ることなら大げさにせず、早期円満解決を図りたい。

相手の主張は
1、お互い動いている上での事故なので100:0はありえない。
2、人身事故にされるならあくまでも過失割合を主張する。
3、でも、出来ることなら人身事故は避けたい。

ということは
1、当社の御客様の保険を使わず
2、車が元通りになって
3、人身事故扱いを回避する。

保険会社は事故のプロ。
でも、プロだって人間。
円満解決を望むのは当たり前。
呑めるところは呑んで、譲るところは譲って、呑んでもらうところは呑んでもらえばいいわけです。

相談した結果・・・
当社の御客様の保険は使わず、当事者相互に1円の負担もなく、人身事故扱いにはならず、
だから相手の行政処分も罰金の負担もなく、ケガの補償もしてもらって、
この事故は解決しました。

人間の行動は感情で支配されている部分も大きいです。
ケンカせずに相手の言い分もきちんと聞いてその上で相談すれば、
プロは解決策を講じてくれます。

僕が苦労をするのはこの後からが本番やけど、
こっちの提案に対して、
「そこまでしていただけるのなら・・・」と、
相手保険会社の担当者もかなりの協力をしていただける事になりました。
感謝です。

ちょっと落ち着いて話をすれば解決することも多いです。
今回はあらためて「人」が介在することの効果を感じました。
最初は完全に敵対スタンスだった相手保険会社、
最後は強力な味方になってくれました。
国内損保もまだまだ捨てたもんじゃない。
こんなプロ意識を持った担当者が多く存在すれば多くの運転者のリスクは軽減される。
表題の「情けない・・・」は最後は「ありがたい」に変わりました。

僕の事故相手も実は同じ保険会社。
同じように円満に解決すれば嬉しいですけど・・