続き・・・②

散髪に行った。
その散髪屋である寿司屋の話をした。
「あの寿司やなぁ、近頃高いねん、相手見て値段決めてんとちゃう?」
「散髪屋はそんなこと出来へんわな?」
「俺の頭は他の人の1.5倍あるし、髪の毛は硬いしボッタクリたい気分やろ?」
なんて他愛のない会話をしてレジで支払いをした金額が3,675円。
僕の前に帰った2人のお客さん、3,150円。
そういえば、2人とも頭の小さい人やった。

さて、面白い?と言ったら不謹慎やけど話の続きです。

今回の御客様の交通事故、賠償金額の協定が出来た。
目標とした金額のほぼ満額で協定出来た。
さて、この金額で修理?が当然なんだけど、今回の車は走行距離10万超。
どっちにしろ近々には乗り換えの予定なので悩むところ。

事故で壊れたレガシィを改めて見たご主人、気のせいか目に涙をためておられた。
でも、今回は本人様と相談させていただいた上で、今回は乗り換えることに。。

事故で愛車がつぶれたのは悲しいことだけど、
乗り換えるとなったらそれはそれで悲しさも少しは忘れるってモンです。

次の車について打ち合わせ。。。。
レガシィにするか、なんにするか・・・

僕はBMWを提案させていただいた。

理由は色々あるけど、そのうちの一つにターゲットのレガシィと
ねらい目のBMWの相場が変わらないから。

もうそうなると話は次の車です。
ルンルンとまでは行かないけれどお客様と一緒に車を選ぶのは楽しい。

でも・・2人で浮かれ過ぎたんやな。。。

ある日、ご一緒に来店された奥様、僕とご主人との打ち合わせにちょっと冷ややかな反応。

「こんなに大好きだったレガシィが、思わぬ事故で壊れたと言うのに何で浮かれているのか分からない」

その言葉に僕もご主人も、シュン。。。。

僕はしどろもどろになりながらも、今回の協定の経緯と乗り換えの結論に至った経緯を説明させていただいた。

すると奥様、僕の目をじっと見ながら
「YOSHIさんが頑張っていただいたのは分かってます。私たちにとってベストの選択を提案してくれていることも」
「でも、昨日まで大事にしていた愛車ですよ。それを簡単に割り切って次の車の話に進めないです。」

その言葉を聞いて、僕は思わず奥様から目をそらしてしまった。
ご主人もオロオロしていた。

僕は僕でお客様にとってベストな解決方法を選択したつもりだったけど、
考えてみると、車を単なる車ではなく「愛車」として位置づけている奥様の感情を汲んでいなかったのだ。

レガシィって大人の男の趣味の車だと思っていたけど、
女性である奥様も自分の子供のような愛着を感じてくださっていたのだ。

嬉しかった気持ちがあった反面、かなり恥ずかしくて、オロオロしてしまった。
それと同時に、僕の目をじっと見ながら自分の気持ちをまっすぐに伝えようとする奥様の迫力に呑まれてしまった。

奥様、申し訳ありません。
レガシィはご家族だったのですね。
奥様のそんな気持ちを理解せず、今回は早まった選択をしました。

でも、そこまでご夫婦に愛されていたレガシィは幸せもの。
違う形になっても最高の形でご夫婦の下に戻ってもらいたいと思います。

ご夫婦の笑顔が早く戻るように頑張ります。