トラヴィックの真実①

トラヴィックという車・・・
スバルで販売していた車だけど中身はオペルザフィーラ。
そのせいか、どうかは知らないけど、中古車市場では恐ろしく相場が安いです。
相場が安いということは人気がない。
人気がないということは悪い車かと言うと、個人的にはそうは思いません。

トラヴィックはどんな車?
と言うことウィキペディアをはじめ、ネットで調べてみた。

ドイツのオペル社が開発したミニバン、ザフィーラのOEM供給を受けたものである。
生産されたのは、ドイツではなくGMのタイ工場であり、スバルブランド車として販売された。
エンジンは当時日本に輸入されていたザフィーラよりも大きな2198ccエンジンを搭載。
また、開発にあたっては、オーストラリア、ホールデン社のテストコースなどにて
スバル実験部隊による独自のチューニングも盛り込まれていた。
内容的には大きなエンジンやより充実した装備品などむしろザフィーラより高度な部分もある。

トラヴィックの大きな特徴のひとつは、ドイツのアウトバーンを
7人フル乗車状態で時速170km/hで安全に巡航・長距離移動ができるように設計されていることで、
全車トラクションコントロール、EBD機能付きABS、ドアロック自動解除機能を装備するなど、
その安全性や、高速走行でのスタビリティは高く、
当時の日本の同クラスの車種とは次元の違う性能を持っていたといえる。
これは元となったザフィーラの設計、開発にポルシェ社が関与し、
主に操縦安定性を高めるためのサスペンションチューニングなどを監修、
それらを徹底的に追求した結果であるとも言われている。

多くの日本車で見られた内装や仕上げの過剰品質、使用頻度の低いシートアレンジを廃し、
走行性能や安全性など、自動車としての基本的な機能を重視した点は興味深く、
発売当初は多くの自動車評論家から高い評価を与えられていた。

しかし、基本的には他社製品であり、
エンジンがスバル車の代名詞とも言える水平対向でなかった事や4WDの設定が無かった事などから、
旧来の保守的なスバルファンからは「スバルらしくない」「本物のスバル車ではない」などと揶揄される事が多かった。
また、ダイヤル式無段階調整式リクライニング機構は、日本車では一般的でなく、使いにくいと不評であったが、
微調整出来る点では優れており、チャイルドシート使用時などの安全性には寄与していた。

2003年の小変更ではステアリングコラムのウィンカー/ディマーとワイパーのレバーを日本車と同様の配置に入れ替え、
2列目席にリクライニング機構追加、2列目中央席への3点シートベルト装備、
ドアミラーの電動格納機能の追加、テールランプの意匠変更がなされた。

そもそもタイは”アジアのデトロイト”と呼ばれるほど、自動車工場が密集した地域であり、
しかも、GMタイ工場は稼動から1年未満の最新鋭工場である。
しかも、タイの労働者の水準は非常に高い、と評判。
今や、メルセデス・ベンツCクラスの日本仕様車でさえ南アフリカ製という時代なのだ。
したがって、どこで造られたかにこだわる意味はまったくない。
さらにいえば、地元のヨーロッパで供給が追いつかないほど大人気のザフィーラは、
イタリアやフランスなど一部のヨーロッパ市場へは、タイ工場から供給されているという。

そういう予備知識をもたないで実際のトラヴィックに触れても、
どこからどうチェックしたところでオペルそのものだし、
最初に乗り込んだときの”ニオイ”も含めてザフィーラとの違いは指摘できない。
しかし、たとえば配管などの細部のレイアウトや組み付け手法など、
目に見えない部分には、スバルの社内基準を満たすべくわざわざ従来のザフィーラに手を入れた部分もあり、
ある意味ではヨーロッパ産のザフィーラよりも品質が上がっているともいえる。

それゆえに、トラヴィックは走っても最新鋭ヨーロッパ車ならではの味わいを感じさせ、なんとも心地よい。
しかも、最近のオペルは現代のヨーロッパ車のなかで最も伝統的な欧州風味が強いから、なおさらその感が強いのだ。
いかにもネバッとして頼りがいのあるステアリングフィール、ちょっとやりすぎかな、と思えるほど、
振り回してもフトコロの深いフットワークは日本車と確実に一線を画する仕上がりである。

スバル・ブランドとしてはどうなのか? という細かいことにこだわるより、
日本人として、この欧州ベストセラーが200万円前後(新車の価格)で手に入る時代を素直に喜んだほうがいい。
国産ミニバンと冷静に比較しても、トラヴィックは間違いなく”超お買い得車”といえる。

トラヴィックの弱点は日本車のようにナビのことを考えていないこと。
ナビが必要でない人は1dinのオーディオスペースにMDだけというのはすっきりしていいと思うけど。

トラヴィックのATはブレーキ踏んで停止していると、Dレンジでも燃費と振動を低減させるためニュートラルになるシステム。
普通、ニュートラルとDレンジを頻繁に切り替えると寿命が落ちてしまう。
当然耐久性に不安持つ方もいるだろう。結論から書くと「問題なさそう」。
というのもトラヴィックのATは、耐久性についちゃ世界的に評価されている日本製(BMWやボルボなどのATもそう)。
ただブレーキ離した直後にアクセル踏むと、若干違和感ある。
ブレーキ離して一呼吸置くとスムース。