カバン一つ買うのにも・・・・

昨日はTAXの近畿ブロックの会議だった。
場所は新大阪のホテルでの開催だったので地下鉄で行くことにした。
ちょっと早めに出て鞄を買うことにした。
あとから考えてみると、梅田か難波で買えば良かったのだが、
途中の北花田のダイヤモンドシティーで鞄を物色することにした。

まず、キーテナントの阪急百貨店に足を向けた。
阪急百貨店といえど、堺市に出店しただけあって
都心に出店したそれとは趣を異にする。
まず、通常の都心型店舗なら地下街にあるはずの食料品売り場は
この堺店では1階のメインの売り場に位置する。
どことなく郊外のショッピングセンターに来たような錯覚を覚える。

売り場のゾーニング図を見て鞄の売り場を確認する。
メンズの売り場は3階、男物の鞄もきっとここにあるに違いない。
エスカレーターで3階に上がると「催事場」の看板が見える。
さすがは我が堺市、都心の百貨店なら7階か8階にある催事場も
この堺店ではいきなり3階に位置することになる。

気になって立ち寄ってみたが春物バーゲンとかで大したものは売っていなかった。
本来の鞄を物色することにする。
上には伸びていないけど、やたら横に広いこの堺店。
やっとのことで鞄の売り場を見つける。

僕のスーツが黒が多いので、黒のスーツにある粋なビジネスバッグが欲しい。
一番先に目に留まった茶色のバッグ、ちょっと格好良いけど茶色はダメ。
今日は黒のバッグを買うつもりで立ち寄ったので最初から鞄を持ってない。
身に着けている黒のスーツと合わせても、ちょっとおかしな気がする。
色違いの赤のバッグも格好いい。
でも、これも却下。
プライベート用に買おうかとも思ったけど、
よく考えたらプライベートの時はこんな形のバッグは持たない。

でも、一応?値段を確認してみると、37,500円・・・
ふーん・・・こんなビニールのバッグが37,500円ねえ・・・
なんか見たこともないようなブランドのロゴが目に付く。
さすがにこの年になるとブランドのビニールのバッグより、
機能的で素材と作りのしっかりしたものが欲しい。

僕は結構たくさんのものをバッグに入れるし、
持ち歩くときはあちこちに行って開け閉めも激しいので
強くてしっかりしてて5,6年使える物が欲しい。
それでいて、リーズナブルな価格なら言うことはない。

5万円をちょっと超える価格でしっかりとした革素材のものがあったけど
デザインが気に入らなかったので買うのをやめた。

阪急の売り場をあとにして、もう1件のキーテナントのジャスコに向かった。
ここでは1万円をちょっと超える程度のリーズナブルな鞄があったけど
長いこと使うので、もうちょっと良いものが欲しくて買うのをやめた。

専門店街を探したけど、鞄の専門店というものが1件しかなかった。
ここでも気に入ったのがなかった。
あとは専門店街の中のメンズの洋服のお店でちょこっとバッグは置いてたけど
「これ売れてますよ」とブランドショップの店員が勧めてくれたバッグは
ロゴだけが入っている安物の布のバッグだった。
もう値段を見る気も起きなかった。

結局、最初の阪急の売り場に戻った。
目に入るのは、ブランドばかりを強調した売値は高いけど安物のバッグばかり。
欲しいものはなかったけど鞄がないのも困るので、そこそこの値段の物を買った。
そのバッグはその売り場の中では比較的マシな気がした。
ブランドのロゴが入っていないのも選んだ理由の一つだった。
ただ、「これは○○○○○○○というブランドのバッグです」
という説明にちょっと苦笑してしまった。
そのブランド名の会社は僕の前職の超お得意さんの会社だった。
見た目は格好良いけど「長く使えない、長く着れない」物を作るイメージがあった。
店員さんはこのブランド名を誇らしげに語った。

まあ、今と昔では物の作り方は違うんだろうけど、長く使えるだろうか?
このつんつるてんのバッグが・・・・
なんか、昔に「ここの商品だけは買うのをやめておこう」と思っていたバッグを
今この年になって購入することになったのはちょっと可笑しかった。

店員さんに聞いてみた。
「ノーブランドでしっかりとした作りと素材のバッグは置いてないのですか?」
すると女性の店員さんは、
「そういうのはなかなか売れなくて、やはりブランドのロゴがあるのが売れる」
という答えが返ってきた。
「梅田店に行けばそういうのも少しはありますよ」とも・・・

前職は出店企画や売り場作りの仕事だったが、
その20年前の時代でも「堺の出店は難しい」と言っていたのを思い出した。
「本物が欲しいユーザーは電車で10分の難波に行けば
価格は別にして「良いもの」がいくらでも売っているから」
と言うのが理由だったように思う。

あの申し訳程度についたブランドのロゴのバッグの
作りが良いとか縫製がいいとかは思わない。
多分?堺の住民もそのあたりには気が付いていることであろう。

ヴィトンやシャネルのバッグがあの価格なのは
それはそれなりに買う人の価値観の問題なのでなんとなく理解は出来る。
でも、中途半端な価格で中途半端なロゴだけが付いたバッグを買うのなら
ノーブランドでも、もっと質のいいものはたくさんある気がする。

お金持ちは金に糸目をつけないでヴィトンを買えばいいんだろう。
長持ちしなくてもまた、新しいのに買い換えたらいいんだろう。
でも、そうでない僕らを相手にあの品揃えはちょっと残念な気がした。
それでもブランドのロゴに弱いねんな。
技術力や製品に対する信頼感はまったくと言っていいほど関係ないのかな?

なんかねえ、車と似ているような気がするねえ。
お金が余っている人はベンツやBMWやレクサスを
新しいものが出るたびに買い換えればいいんだろうけど
そうでない普通の僕たちは少ない予算で本当に良い物を長く乗りたい。
それをきっちりと提案できる「売り場」を作ることが必要だと改めて感じました。