信州そば

おかげさまで歯茎の痛みは少し、マシになった。
「のどや耳や頭まで痛くなるのはなぜ?」
と、歯医者さんに聞いたら、「それはそういうこともある」とのこと。
別に心配する必要もないらしい。
そうなんかなあ・・・?
朝の4時ごろになんとなく違和感を感じて目が覚めた。
水を飲んでトイレに行った。
すると・・・猛烈な下痢。
もしかしたら風邪引いてるんとちゃうんかな?

歯医者で治療を終えてお店に電話した。
僕のご飯は買った?
との問いに新人三野が「専務の分はないです」と冷たい返事
仕方がないので久しぶりに外で昼食を摂ることにした。
本当はガッツリ中華系に行きたかったけど、
歯の治療をしたとたんなのでおにぎりの美味しいうどん屋さんに行った。
ここのうどんはねえ、全然たいしたことない。
最近のうどんブームに反するほどの、ベタなインスタントに近いうどん。
でも、ここのおにぎりが美味しいねんな。
食堂のおかあちゃんたちの手作りなのか1個1個が絶妙の固さと塩味。

でも、残念。
おにぎりは品切れでした。
「白いご飯ならあるよ」
仕方がないので白いご飯とブリかまの煮つけを取った。
あと、うどんは・・・・ふと壁に貼ってあるメニューを見ると「信州そば」の文字。
僕はうどんよりそばが好きなので迷わずに頼んだ。
「出来たら呼ぶからな」

おにぎりのないのは仕方がない。
まあ、こういう日もあるのだろう。
それより、今日は信州そば。
どんなんやろう?信州そば。
山菜がたくさん載ってるんやろか?
それとも蕎麦自体が信州産なんやろか?
そばが出来るまで、ご飯にもブリかまにも手をつけない。
だって憧れの信州そばが出てくるまでにお腹一杯になったら困るから。
僕は信州そばが出来るのを待った。

やがて・・・
「信州そばのお客さーん」とおばちゃんの声。
小躍りしながらカウンターまでそばを取りに行った。
目に入った信州そばは・・・・
うっすい出汁にスーパーで売っているような麺が泳いでいた。
えー?これが信州そば・・・・?
「あ?忘れてた」
カウンターの中からおばちゃんの声。
おお!そらそうやろう、何せ信州そば。
ここに山菜か何かが入るのね?

おばちゃんは親指と人差し指でつまんだ青ねぎを一振り。
そしてピンク色の薄っぺらいナルトを2枚載せ、
「はい、いっちょ上がり」
え?いっちょ上がり?
これで信州そばの出来上がり?

いやいや、見た目で判断したら飽きません。
何せ信州そば。
味はきっと信州そば。
そば粉のいい香りがして、奥深い出汁が味わえるに違いない。
そう考えると、山菜など余計な演出はむしろないほうが良い。

どんぶりのふちに口をつけてスープをすすってみる。
・・・うーん、どう考えてもインスタントのスープ。
出汁の味など全然しない。
麺を一口。
うん、やはり見た目どおりのスーパーの麺。
信州そば・・・・
どこが信州やねん
堺そばでも良かったんとちゃうん

後で入ってきたおばちゃん二人組み。
「あー、何食べよ?あ、ピピンバ大盛り。ようけ、ご飯入れてや」
と、大声で言った後で
「あ、自分で入れるわ」
と、厨房に入って自分でどんぶりにご飯をよそっていた。
さすがは大阪のおばちゃんやね。

このうどん屋さんの壁に貼ってあった文章が興味深い。
内容をはっきり覚えてなかったので後でネットで調べた。

鬼十訓
1、仕事は自分から「創る」べきで与えられるべきではない
2、仕事とは先手先手と、能動的に「働きかけ」ていくことで、受け身でやるものではない
3、「大きな仕事」と取り組め、小さな仕事は己を小さくする
4、「難しい仕事」を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある
5、一度取り組んだら「放すな」目的完遂までは殺されても放すな
6、周囲を「引きずり回せ」引きずるのと、引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきが生ずる
7、常に「計画」をして、長期に亘る計画をもっておれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる
8、何事にも「自信」をもて。自信がないから君の仕事には迫力も粘りも、そして厚みすらもない
9、頭は常に「フル回転」八方に気を配って、一分のスキもあってはならない。サービスとは、そのようなものである
10、「摩擦を怖れるな」、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練的な人間となる

書いてあることはもっともなんやけどなあ・・・
うどん屋さん・・・・・・