回り道をすると・・・

阪神また勝ったね。
横浜が終盤に追い付いたので「もしや・・・・」
と一瞬思ったけど、中日、やっぱり強いね。

今日の広島の先発メンバー見ると、
これから優勝争いに関係なくなったチームは
どんどんと若手を起用してくる感じ。
やっぱり、残りゲーム数考えると、
実際のゲーム差よりも差はある感じやね。
まあ、でも、最終まで盛り上がって欲しいね。

こんな仕事をしていると色んなところに納車に行く。
当社は基本的には店頭での納車をお願いしているですが、
お客様の都合によっては車を持っていくこともあります。
今日はその中でも思い出深い納車のお話を一つ・・・

僕は遠方への納車が嫌いではない。
むしろ好きな車に乗って知らない土地に行くのは好きなほうだ。

昔、ある公共の施設に納車に行ったときのこと。
その公共の施設というのは少年鑑別所。
そこの職員の方にご購入いただいた。

陸運局で車を登録し、お客様の職場まで車に乗って向かう。
やはり、少年鑑別所ということで、随分と辺鄙な場所にある。
県道から山道へ入って走ること10分、
「本当にこの道で合ってんの????」
というぐらいさびしい山道のそのまた奥に目的地はあった。
こういうところに納車させていただいたときは、
最寄の駅まで送っていただくことを期待するのだが、
この日はたまたまお客様の都合が悪く、
徒歩で駅まで行くことになった。

時期的には冬だったと思う。
6時を過ぎるとあたりは真っ暗。
(この真っ暗な山道を一人で歩いていくのか・・・・・?)
しかたがないのでとぼとぼと一人で山道を歩き出した。
夜道はそんなに怖いとは思わない方だが、
それでもこの道は少年鑑別所へ続く道。
シチュエーションだけでも普通の夜道よりは十分怖い。

登りは車だったので、風景はそんなに気にならなかったが
こうやって歩いてみるとものすごく不安になる。
歩けども歩けども、真っ暗な山道。
聞こえてくるのは野犬のほえる声。
(野犬が襲ってきたらどうしよう・・・・)
いのししが出てきても全然不思議ではないような山道。
不安にかられて、護身用に適当な木の枝を探す。
護身用にになるかどうかは、分からないが適当な枝を見つけ、
ひたすら、早足で山道を下っていく。
子供のころは放し飼いの犬や野良犬がたくさんいて、
学校の帰りに犬が付いてくると(走ったら余計に追っかけてくるので)
早足で歩いたあの心境。

30分も歩いただろうか?
さっきまでは遠くのほうで聞こえていた車の音が、
ようやく近くに聞こえてくる。
これで一安心、心の中の不安がようやく静まる。

やっとのことで県道に出る。
駅へ向かうべく歩みを進めていく。
地図上で確認した駅へは約2km。
早足で歩けば20分もすれば到着するであろう。
歩いていて気がついたのだが、一難去ってまた一難。
この県道、歩道がない。
おまけに道が異様に狭い上に、大型車の交通量は異常に多い。
大型車がヘッドライト上に写された僕を見て
けたたましくクラクションを鳴らす。
僕はその度に、道路の脇の木に身を隠す。
冗談じゃなくてそれぐらい道幅が狭い。
身を隠さなければ、轢かれてしまうかもしれない。

それでも、駅の明かりを目指して僕は歩き続ける。
10分、20分、30分・・・・・
意外に駅は遠い。
地図の見間違いだろうか?
もう一度地図を確認する。
目印になるものが見事に見当たらない。
よおーーーっく考えて見る。
僕はさっき山道を降りてから右方向へ歩き出した。
ところが、地図を見ると駅は左側。
そう、僕はまったくの反対側に歩いて来たのだった。

今更、この危険な県道を引き返すわけには行かない。
タクシーを探す。
当たり前だが、走っているわけがない。
どうしよう・・・・・?
再び地図に目をやる。
見ると、このまま歩行けば大きな道路と交わるようだ。
大きな道路と交わるということは、飲食店があるに違いない。
気を取り直して交差点に向かう。
山道を降りてから50分ぐらいは歩いただろうか?
ようやく、大きな交差点に出た。
案の定、交差点にはドライブインがあった。

ここで食事をとって、タクシーを呼ぶことにした。
ドライブインなのでたいしたメニューはないと思いきや、
好きなおかずを好きなだけ取るブッフェスタイル。
おかずはすべて手作り。
ドライブインというよりは大衆食堂のような感じだった。
おかずをチョイスし終わると、ご飯と味噌汁を頼むのだが、
「手作り味噌汁」というのがあって、
もうこれが具だくさんで美味しかった。
ここまで苦労してたどり着いたせいもあったのだろうが、
今迄で食べた味噌汁で一番美味しく感じた。
もしかしたらこの味噌汁に出会うために回り道をしたのかもしれない。

ちょっと回りくどかったけど、
「回り道をすることで新しい発見もあるよ」というお話でした。
今回の場合は味噌汁だけやったけど・・・