私が監督です。

子供のソフトボールチームの監督をすることにした。
誰にも頼まれていないのに無理やり就任した。
あんなこともこんなことも、色んな練習方法で
ソフトボールの楽しさを伝えたい。
そして子供たちが卒業したときに、
中学校の野球部や少年野球、シニアリーグで通用する選手になれるよう、
投げ方、打ち方、守り方の基本をみっちりと教えたい。

でも、プレーをするのは子供たち。
私たちは回り道をしないよう、手助けをするだけ。
うまくなるのは子供たち自身でうまくなっていくのだ。
だから、強制力や思い込みで指導するのではなく、
指導する大人が柔軟な頭を持っていなければならない。

「腰で打て」
腰で打つってどういう意味?
どうやったら腰で打てるの?

「踏み込め」
踏み込むってどういう意味?
どの方向に踏み込むの?
前に一歩行ったらいいの?

「前で打て」
前で打つってどういう意味?
ポイント前ってこと?
どうやったらポイント前で打てるの?

「たたけ」
たたくってどういう意味?
どうやったらあの重いバットでたたけるの?
たたけばうまく打てるの?

すべてが逆に作用するような恐れのある言葉ばかり。
大人が伝えようとする内容は正しいことばかりなんだけど
子供たちにとっては、分かりづらい表現かもしれない。

小学校高学年から中学校まではゴールデンエイジ。
心も体も大人になって行って、どんどんと成長する時期。

投げられれば楽しい。
守れれば楽しい。
打てれば楽しい。
そして褒められればもっと楽しい。

楽しくなれば少しは上手くなる。
上手くなればさらに楽しくなる。
そしてその先に勝負があればいい。
いつの日か勝つ事を夢見て楽しんでやれればいい。
負けたら悔し泣きをすればいい。
仲間を思いやって慰めればいい。

そしてみんなで励ましあって、勝利が現実となった時、
全員で喜びを分かち合えればいい。
そんなチームを作りたい。

我々はその手助けをするだけ。
そして、ソフトボールや野球が生涯好きな人間になって欲しい。