黄金チャーハン

夜の8時前にメッチャうまい焼き飯が食べたくなった。
何でやろう?
ああ、思い出した。
土曜日に赤レガ3.0RSpecB乗りのKさんと焼き飯論争をしたからや。

Kさん「料理することありますぅ?」
な、なんの話や突然?

いや、僕は独り暮らし始めたんで、最近料理してるんです。
焼き飯は、パラパラよりもちょっとしっとりが好きなんです。
玉子を焦がさない為には最初にご飯と玉子を混ぜておくんですよ。
ご飯はあったかい方がいいですよ。
料理、した事あります?

な~に~ぃ?
料理した事ありますぅ?この僕を捕まえて?
これでもね、学生時代はずっと調理のバイトしてたんですよ。
ただ、スパゲッティ店、ファミレス、カフェなど
焼き飯とは縁のないところばかりやったんやけど。

いや、んなこたぁない。
実はどの店でも焼き飯だけは極めようとしてた。
スパゲッティの店はちょっとだけイタ飯メニューもあったので
ドリアのオーダーが通ると中身のピラフだけはいつも僕が作っていた。
ファミレスでは冷凍食品のピラフをチンするだけだったけど、
僕がキッチンに入ったときは冷凍のピラフをフライパンで炒めていた。
カフェでのピラフはもちろん、中華なべで炒めていた。
どのお店でも作らなければならないのはピラフだったんだけど
僕が作るとなぜか焼き飯だった。
しかし、この焼き飯は人気メニューだった。
お客さんも良く知ったもので、僕がキッチンに入ってない時は
それぞれのメニューは出なかった。

好きなお店は東京で働いていたときの原宿の「大王」という中華料理屋のチャーハン。
特別な具は入っていないんだけど、シンプルな香ばしい味が好きやった。
週に3度は大盛りを食っていた。
最初の一口から最後の一口までチャーハン、これが若い僕の胃袋を満足させた。

その僕を捕まえて焼き飯を語るか?
と、言いたいところやけど、ここ20年はうまい焼き飯に遭遇した事はほとんどない。
いや、「自分で作ったら・・・」という意味。
おうちの火力ではうまい焼き飯が作れないんです。
今の家はIH調理器。
焼き飯なんてとんでもない。

いや、実は一度だけある。
10年近く前の酔っ払って帰ってきたある日。
それは今の家ではなくて前のマンションに住んでいたときのこと。
夜中に帰ってきたのだが、小腹がすいて無性に焼き飯が食べたくなった。
酒の勢いで作り出した玉子チャーハン。
1個分の玉子の黄身だけを茶碗一膳半のご飯と混ぜて、
チャーシューのみじん切りのみを混ぜて炒めた。
炒めた時間は約2分?
玉子は炒り玉子状になることなく、ご飯に綺麗にコーティングされて
まるで透き通った黄金色の米粒がそれぞれ独立したような感じになった。
あの香ばしくて上品な味が今でも忘れられない。
ところが、あれから10年、あの状態を再現しようと思っても全然できない。
どうしたらあのような状態に出来るんやろう?
どなたかご存知なら教えてください。